これまでに寄せられてきたエンカウンター・グループについての質問にお答えしております。
A1 10代の後半~80代の、さまざまな年代の方々が参加されています。学生、公務員、教員、会社員、研究者、カウンセラー、主婦、看護婦などさまざまな人たちが集まります。男女比はプログラムや開催時期にもよりますが、だいたい同数になっています。
A2 中には人生の重大問題を抱えて参加される方もおられますが、大きな悩みがなくても参加する方はたくさんおります。差し迫った問題はないとしても、自分を変えていきたい、成長したいという目的を持って参加される方が多いようです。また、特に参加にあたっての資格や条件は必要ありません。人間的な成長を目指す方ならどなたでも歓迎です。ただ、現在メンタルな治療を受けている場合のみ、次の質問をご参照ください。
A3 治療中の方は、あらかじめ治療担当の方の許可を得て来て下さい 。また、その方との連絡が取れるようにして下さい。自分や他のメンバーについてかなり神経を集中しますので疲れやすくなることがあるからです。
A4 プログラムにもよりますが、一般的なグループの場合、多くの時間はグループでの話合いに使われます。この話し合いの話題は、 その時、その場で、それぞれの参加者が考えたこと、感じたことで、特定の事が設定されているわけではありません。また、自由時間を設けたり、プログラムによってはノンバーバル(言語を使わないセッション)のワークをしたりすることもあります。もちろん、話合いの場で「黙っている」自由もあれば、ノンバーバルの場で「参加しない」自由も保証されています。どのようなプログラムであれ、自分がいやなことを言わされたり強制されることは、一切ありません。
A5 何を求めて参加されるかにもより、また人によっても得られるものは違うでしょう。「参加者の感想」をご参照ください。
A6 巷間伝えられる「自己啓発セミナー」とは理念も形式もまったく違います。違いを思いつくままに書き出してみます。1.お金儲けを考えておりません。 2.人を変えようとしません。 3.グループをリードしたり「指導」する人はおりません。いるのは、ファシリテーター(促進者)と呼ばれる、臨床心理学の専門家です。ファシリテーターは、あくまで側面から参加者の援助をするだけで、参加者の自発的な動きを何より尊重します。自己啓発セミナーでも「指導者」をファシリテーターと呼んでいるようですが、果たす役割は全く異なります。 4.その人のためになると言われても、イヤなことは強制されません。 5.継続参加が義務づけられることはありません。 6.紹介者が最後の日に花束を持って現れるなどということはありません。等など..。
A7 アメリカでは1960年代から70年代にかけて、ベトナム反戦運動や大学紛争などの国民運動を背景に、グループによる人間の潜在能力開発のワークショップが西海岸を中心に一大ブームとなりました。中流階級の人々は、ほとんどが何らかのグループ体験を持ったとも言われております。ブーム化した分、一時の熱狂が去ると新規なものへの関心が薄れていったのかも知れません。日本ではそのようなブームとしてではなく、人間関係研究会はじめロジャース博士のパーソンセンタード・アプローチによるエンカウンター・グループが自己研修の場として活用されたこともあり、ブームも起こらなかった代わりに、深く静かに浸透してきました。昨今の社会現象を見るまでもなく、日本ではますますエンカウンター・グループのような活動が必要とされているように思われます。
A8 宗教的なバックはありません。ただ、エンカウンター・グループの目指す人間的な成長、自立、自分の生き方の確立などの点で、またゆったりとした時間の流れの中で自分を見つめるという点などで、宗教との親和性も存在します。そこで、ファシリテーターによっては宗教の智慧の活用をはかりながらグループを進めるということはありますが、決して「信仰」が前面に出ることはありません。詳細は各プログラムの紹介文、または、問合わせ先に直接お尋ねください。
A9 プログラムによっていろいろあります。自費参加の方がほとんどですから、公共機関の研修センターや国民宿舎、民宿や企業の厚生施設など、経済的で、しかも落ち着いてグループの持てる場所を、それぞれのプログラム担当者が苦労して探しております。
A10 ゆったりとした時間の流れの中、グループに支えられ自分や他人と出会い、自分の可能性に触れていくという目的は、どのプログラムでも同じです。日程や開催場所で選ばれてもいいと思います。ただプログラムごとに特色がありますから、紹介文を参考に自分のニーズに合うグループを選ばれるのがいいでしょう。
A11 本研究会では、それぞれのプログラムが、独立採算で運営しています。会場やスタッフの人数などによって、必要経費が変わってくるため、参加費等にも違いが出てきます。
A12 そのプログラムの日程を終え、かつ証明書を希望される方には、各プログラムの責任者より「参加証明書」を発行します。
A13 本研究会の何人かのスタッフが、個人面接を受けつけているカウンセリングセンターなどを運営しています。詳細は各HPをご覧ください。東広島心理相談室、日本グロースセンター、(財)茨城カウンセリングセンター、KNC(関西人間関係研究センター)。
A14 本研究会は、いわゆる会員になって活動していただくような制度をとっておりません。 本会は約30名の運営スタッフで運営されており、全国で公募のエンカウンター・グループを企画・開催している任意団体です。ワークショップには、どなたでも参加できます。 ご関心がおありでしたら、是非どこかのワークショップにご参加ください。お待ちしています。